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健康づくり

「夏かぜに注意」~夏型過敏性肺炎~について

呼吸器内科 坂田 哲宣

雨の日が多く、うっとうしい季節になっていますが、この季節に元気を出してきて主婦を悩ませるものがあります。それは,畳の隅や、湿気をおびたところに繁殖するカビです。
晴れの日には虫干しをして対策をとられている事と思いますが、その中には人にアレルギー反応や病気を起こすカビがいる事をご存知ですか?これらのカビの医学名は真菌と呼ばれています。

トリコスポロン・クタネウムというカビは、夏型過敏性肺炎の原因になります。
夏型過敏性肺炎の主な症状は、咳(空咳,発熱,息切れが3大症状といわれています。鼻水は出ないけれど、喉のイガイガ感から咳が続き、階段を上る時に息切れがしたり、発熱が続きます。
病院へ行くと肺炎と言われ、入院して抗生物質などの点滴治療で改善しますが、夏型過敏性肺炎の場合退院したらまた症状が出てきます。これは時として繰り返され、咋年も同じ事があったりします。
つまり,薬の治療が効いたのではなく、生活環境が家から病院に変わり,原因のカビから離れたことにより良くなったのです。

症状は、人によって程度に差があり、夏になると熱がよく出て痩せたり、子供の場合夜中に咳込み学校へ行く頃になって息苦しくなったりと様々です。
この病気は、アレルギー反応ですが原因のカビのところに居るとすぐ症状がでるわけでなく、6~8時間後に現れるので普通の人は判り難く、医師でもすぐには気が付きません。呼吸器内科の医師でも判断に困ることが多いようです。
西日本に多くの患者さんがみられ、主婦に多い病気です。

熊本大学第一内科の調査では種々のカビによる過敏性肺炎のうち夏型過敏性肺炎が全体の75%を占めていました。流行の季節は4~10月といわれています。
夏風邪と思いつつ、長引く咳の症状のある方は、一度呼吸器内科を受診されてみてはどうでしょうか。