概要
臨床工学技士は医師の指示のもと生命維持装置の操作、保守点検、管理、修理を行う医療職種です。生命維持装置とは呼吸、代謝、循環といった生命維持に欠かせない機能を補助する装置のことをいいます。当院でも血液浄化業務や呼吸器治療などにおいてチーム医療の一員として医療の安全性の向上に努めています。
スタッフ
臨床工学技士9名在籍
3学会合同 呼吸療法認定士 3名
透析技術認定士 5名
業務
血液浄化業務
腎センターに透析ベッド数24床、HCUにも24時間緊急時に対応できるように透析機器を配置しております。腎センターではHD、ECUM、on-lineHDF、LCAP、GCAP、CART、LDL吸着などを行っております。またエンドトキシンや生菌数測定等水質管理、透析機器の保守点検も行っております。HCUではCRRTやPA、PEなど各種血液浄化を行っております。
当腎センターは透析ベッド数24床、また緊急透析に対応できるようICUに個人用透析装置を設置しています。また血液透析は週3回の1日4~5時間が基本です。
当腎センターは、透析患者様が快適に透析ライフを送って頂けるよう各ベッドにテレビを設置しています。
血液浄化業務は血液透析をはじめ血漿交換、血液吸着など各種血液浄化を行っています。また血液透析が安全に施行できるよう、透析装置の日常点検および定期的の保守点検を行っています。
HCU業務
HCUでは人工呼吸器やIABP、生命情報モニタの保守管理、低体温療法の装置の操作と管理を行っております。
人工呼吸器について
自然呼吸(自発呼吸)
私たち、自分自身では呼吸をすることを意識していませんが、自然と1分間に15回前後、1回300~400mlの呼吸(換気)を行い、体に必要な酸素を取入れ、二酸化炭素を排出しています。
これは、脳の中の脳幹というところから命令が出て神経、筋肉に伝わり自然に呼吸が出来るようになっています。
人工呼吸
病気やケガなどで、呼吸に障害を受け酸素の不足、また二酸化炭素の排出が十分、出来なくなると、人工呼吸器にたよることになります。
人工呼吸は、必要な酸素を肺に押込む(吸気)、肺から二酸化炭素を排出(呼気)を器械的に人工呼吸器で呼吸(換気)を行うことです。
患者さんの呼吸(換気)の障害は一人一人違います。人工呼吸器にもいろいろ種類があり、患者さん一人一人の病状にあわせた治療をおこなっています。
BIPAP ビジョン(非侵襲的陽圧換気法)
非侵襲的陽圧換気法は、鼻や口にマスクを使用した人工呼吸療法で、一般的な人工呼吸療法と比較し、挿管(気管にチューブを挿入する)の必要がないのが特徴です。
ME業務
ME室にて輸液ポンプ、シリンジポンプ、病棟用人工呼吸器、低圧持続吸引機などの中央管理を行っており日常点検や定期点検、貸し出し管理を行っております。また、病棟で使用している保育器、生体情報モニタや除細動器、AEDの保守管理も行っております。
手術室業務
手術が安全に施行出来る様に毎朝の麻酔器の始業点検や鏡視下手術に使用する装置の準備、設定、スコピニスト(カメラ持ち)などの支援業務やラジオ波焼却法(RFA)における装置の操作を担当しております。
心臓カテーテル検査業務
冠動脈造影(CAG)や経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、下肢閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患の血管内治療(EVT)の支援業務を行っております。
IABP(大動脈内バルーンポンピング)
IABP(大動脈内バルーンポンピング)とは、心臓の動き(ポンプ機能)が低下している患者さんの心臓を補助するための補助循環装置です。
大動脈内にカテーテルを挿入し、心臓の動き(拍動)に合わせて動きます。この療法によって心筋への酸素を増加させ心臓の負担を軽減します。
業務実績
2017年 | 2018年 | 備考 | ||
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血液浄化部門 | HD | 7,194 | 6,769 | 腎センターで施行したECUMも含む HCUで施行したHD、ECUMも含む |
O-HDF | 510 | 799 | 前希釈、後希釈 | |
CHDF | 13 | 31 | ||
PMX | 10 | 10 | ||
CART | 4 | 2 | ||
PA | 0 | 0 | ||
PE | 0 | 3 | ||
LCAP GCAP |
10 | 5 | ||
手術室部門 | 鏡視下手術 スコピニスト |
57 | 47 | |
鏡視下手術 セッティング |
118 | 273 | ||
RFA | 5 | 6 | ||
心カテ | 心カテ対応件数 | 289 | 374 | 定例、緊急対応合算 |