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健康づくり

夏に流行する感染症と予防接種について

小児科 成戸 史絵

夏にかけて流行する感染症と、皆様から沢山のご相談をお受けするワクチン接種のスケジュールについて記載いたしました。

予防接種について

沢山ある小児の予防接種。どのワクチンをどんなスケジュールで接種したらよいのか、よくわからなくてお困りではないでしょうか。予防接種について、出来るだけわかりやすく簡潔な説明を試みてみました。

ワクチンには、定期接種ワクチン(公費で接種できる)と任意接種ワクチン(自費で接種)があり、区別は以下のとおりです。

○定期接種ワクチン

三種混合ワクチン(DPTワクチン),BCG,ポリオワクチン,日本脳炎ワクチン,MRワクチン(麻疹,風疹混合ワクチン)

○任意接種ワクチン

インフルエンザワクチン,水痘(水ぼうそう)ワクチン,おたふくかぜワクチン,Hib(ヒブ)ワクチン,肺炎球菌ワクチン,ヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸癌予防ワクチン),B型肝炎ワクチン

ワクチン接種時の体調

予約をしておいた予防接種の当日に、少し咳や鼻水がある時、お腹の具合が悪い時、ワクチン接種をしても大丈夫かとの質問を受けます。予防接種は出来るだけ体調の良い時に行う方が良いのは言うまでもないことですが、小さい子供はよく風邪をひきますし、保育園に預けている子供は咳も鼻水も無い時の方がむしろ稀でしょう。あまり体調にこだわりすぎるといつまでたっても予防接種が出来ません。ただ、接種後に体調が悪化した場合、接種の影響ではないかと思うのは人情でしょう。そこを危惧して接種の可否を判断するわけです。
ごくまれな重篤な副反応は事前の体調の良否とは無関係なことが多く、接種前に予知することほとんど不可能です。

ワクチンとワクチンの接種間隔

同じ種類のワクチンの接種間隔についてはワクチンごとにルールがあります。種類の異なるワクチンの接種間隔は先行するワクチンの種類によって決められています。先に接種したワクチンが不活化ワクチンなら、次のワクチンまで最低1週間空けて下さい。先に接種したワクチンが生ワクチンの場合は次のワクチンまで最低4週間空けて下さい。後に打つワクチンの種類は問いません。

参考に接種スケジュールの一例を示します。

キャプション
生後2~3カ月 BCG接種
BCG接種後4Wあけて三種混合ワクチンを開始。
約1カ月の間隔で3回接種。
(出来れば自費でHibワクチンと肺炎球菌ワクチンを同時接種)
~1歳 ポリオを保健センターで1回接種(可能なら2回目も接種)
1歳 MRワクチン(Ⅰ期)接種,ポリオ2回目接種,三種混合ワクチンの追加接種
(自費でHibワクチンと肺炎球菌ワクチンも同時に追加接種)
~3歳ぐらい (自費でおたふくかぜ、水痘ワクチンも接種したい)
3歳 日本脳炎ワクチンを約1カ月間隔で2回接種
約1年後に追加接種
5~6歳
(小学校入学の前年)
MRワクチン(Ⅱ期)接種
11~12歳 DTワクチン接種
11歳~ (女児には自費で子宮頸癌予防ワクチン。約1カ月間隔で2回接種後、約半年後に追加接種。)

*このスケジュールがベストということではありません。

夏に流行する感染症

☆プール熱(咽頭結膜熱、アデノウイルス感染症)

夏にプールを介して学童のあいだに流行するので「プール熱」といわれています。プールに入らなくてもうつります。39~40℃の高熱が4~5日続き、のどの痛みが強く、眼も赤くなります。さらに頭痛、はき気、腹痛、下痢を伴うこともあります。結膜炎の改善に約10日かかります。ウイルスが一種類でなく以前にかかったことのある子でもまたうつる場合があります。
潜伏期間:5-7日
感染期間:咽頭より約2週間、便より3-4週間ウイルスが見つかります。

○保育所・学校

症状が良くなって2日たつまで休みましょう。プールは治ってから2週間はさけましょう。

○治療

熱やのどの痛みをおさえるくすりを処方します。

○家庭で気をつけること

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高い熱 何日も高熱が続くので不安になるでしょうが、熱さましを使いすぎないように気をつけて、涼しい部屋でねかせてください。
食べ物 のどは痛いし熱も高いので、食欲がないのはしかたがありませんね。プリンやゼリー、アイスクリーム、さましたおじや、とうふなどはいかが?
水分 水分は十分に飲ませてください。 麦茶やイオン飲料、牛乳、みそ汁、ポタージュスープなどがよいでしょう。
入浴 高い熱があるときや元気がないとき以外は、がまんする必要はありません。