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健康づくり

「老人性白内障」のはなし

眼科 行徳 泰宏

まず初めに白内障とはどんな病気でしょうか?人の眼は、よくカメラにたとえられます。カメラのレンズに相当する働きをするのが水晶体です。人の水晶体は直径9ミリ、厚さ4ミリの凸レンズ状の組織で、その働きには、レンズとして光を集める働きとピントを合わせる機能があります。この機能も年をとると共に低下し、近くの物が見えにくくなります。この状態を老視(老眼)といいます。

水晶体のもう一つの特徴は、透明な組織で光を透過し、眼底の網膜に光を集め、外界の物体の像を結ぶ働きです。透明なはずの水晶体が濁ってくると光が眼底に入る前に散乱されて、網膜に像を結ぶ働きが弱くなり、かすんで見えるようになります。この水晶体の濁った状態を白内障といいます。

それでは白内障になると、どんな症状があるのでしょうか。「かすんで見える」「まぶしくなる」「暗くなると見えにくくなる」などの自覚症状が現れてきますが、水晶体の濁りの性状や程度により個人差があります。一般的には「視力の低下」を訴える患者様が最も多いようです。

最後に白内障の治療法についてお話しします。老人性白内障は、平均寿命の延長や老齢人口の増加に伴い、今後ますます増えていく眼疾患の一つです。治療薬として水晶体の混濁を遅らせる点眼薬が普及しています。

通常は、混濁が進行して視力が低下し、日常生活に支障をきたすようになると、視力の改善には手術が必要になります。手術は、濁った水晶体を摘出して、眼内レンズ(人工水晶体)を移植します。
局所麻酔で手術中の痛みもほとんど無く、約30分で終わります。網膜や視神経に異常がなければ、ほとんどの患者様は、手術をすることで視力を回復することが出来ます。

現在、日本では、一年間に約50万人以上の人が老人性白内障の手術を受けています。白内障の手術をする時期や手術の方法については、主治医とよく相談した上で決めて下さい。