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健康づくり

熱中症について

臨床研修医 米村 光信

熱中症は毎年夏場を中心に、小さいお子様からご高齢の方まで非常に多くの方が罹られる病気です。特に重症の熱中症になりますと、集中治療室管理が必要となり、場合によっては死に至る病です。

皆様が暑い夏を無事に乗り切れますように、これからQ&A方式で説明いたします。

ー第1章 熱中症にかかりやすい原因ー

Q1 どんな日、どんな時間帯に熱中症になりやすいの?
A1 前日より急に気温が上がった日になりやすいです。また、気温がそれほど高くなくても湿度が高い日はなりやすいです。他に、涼しい室内で作業をしていた人が、急に外で作業をしたときにも起こりやすいです。統計的に、熱中症が起きやすい時間帯は午前10時~午後15時頃までといわれています。

Q2 屋外でしか起こらないの?屋内にいれば安心なの?
A2 いいえ。屋内にいても、夏場の体育館のように高温多湿な環境では起きます。屋内で防具や厚手の衣装をつけて行う競技だと熱中症の原因になります。剣道や柔道、バスケットボールやバドミントンであっても熱中症の予防が必要となります。

Q3 どんな人が熱中症になりやすいの?
A3 全ての年齢層の人に起こりえますが、特に5歳未満の幼児、65歳以上の高齢者でなりやすいです。その他、肥満の方、下痢をしているなどして脱水状態にある方、発熱されている方などが熱中症になりやすいです。

ー第2章 熱中症の予防ー

Q4 どんな日は運動を避けた方がいいの?
A4 湿度が低い日でも、気温が35℃以上の場合原則運動は避けた方がいいです。31℃以上の場合は激しい運動は避け、普段運動し慣れていない人は運動そのものを避けたほうがいいです。湿度が高い日では、27℃以上で原則運動は避け、24℃以上では激しい運動は避けた方がいいです。

Q5 どんな服装がいいの?
A5 出来るだけ薄着がいいです。吸湿性や通気性のいい衣類を着用してください。
直射日光下では帽子を被るようにしてください。

Q6 熱中症の予防のための水分補給は水やお茶でいいですか?
A6 いいえ。熱中症の予防のためには、体の中の水分と電解質、つまり塩分とのバランスが重要です。スポーツドリンクなどで水分補給をするのが好ましいです。もちろん、スポーツドリンクは糖分がたくさん入っていますので飲みすぎには注意されてください。また、冷やしタオルなどで体を冷やすのも有効です。その際は、首や脇、股などを中心に冷やすと効果的です。

ー第3章 熱中症の症状と対応ー

Q7 熱中症の症状って何がありますか?どのように対処すればよいですか?
A7 めまい、顔のほてり、筋肉痛や筋肉の痙攣、体のだるさや吐き気、汗のかき方がおかしい(大量に汗が出る、もしくは全く汗をかかないなど)、体温が高い、皮膚の異常(皮膚を触ると熱い、皮膚が赤く乾燥しているなど)などの症状が現れたときには熱中症にかかっている可能性があります。日陰で休んでスポーツドリンクで水分補給をする、水で濡れたタオルなどで体を冷やす等してみてください。それでも症状が軽くならない、症状がひどくなるときには、病院で点滴での治療が必要ですので病院を受診されてください。

Q8 もっと危険な熱中症の症状はありますか?
A8 呼びかけに反応しない、おかしな返答をする、まっすぐ歩けない、自分で水分補給ができないなどの症状があるときは重症の熱中症の可能性があります。このときは、その場で無理にA7で述べたような応急処置はせずに、早く救急車を呼んでください。病院での緊急での集中治療が必要な状態です。

以上、簡単にではありますが、熱中症についてご紹介させていただきました。皆様が健康に夏を乗り切る一助となることができれば幸いです。