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診療科・部門

検体検査室

概要

患者さまから採取された血液・尿・便等の検体を、様々な分析装置や、顕微鏡などを使用し、病気の診断やよりよい治療の為に各種検査を行っています。
検体検査は、生化学検査、免疫検査(腫瘍マーカー検査・内分泌検査・感染症検査等)、血液検査、一般検査に分けられます。
採血から診療前までに、60分以内の報告を心掛け、併せて検査結果の品質向上に努めています。

生化学検査

生化学検査は、主に遠心分離された血清を用いて血清中に含まれる蛋白質・酵素などを測定し各臓器の状態を調べます。

検査項目と疾患
AST、ALT、γ-GTP、ビリルビン 肝機能障害
LDH,CK、CK-MB 心筋梗塞
総コレステロ-ル、中性脂肪、HDL-コレステロ-ル 動脈硬化
血中・尿アミラーゼ 膵炎
尿酸 痛風
BUN、クレアチニン 腎機能障害
Na、K、Cl、Ca、P 電解質異常
Fe、UIBC、TIBC 鉄欠乏性貧血
CRP 炎症、細菌感染

 

  • 生化学分析装置

    生化学・免疫分析装置

免疫検査

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーとは、癌細胞または癌に対する体の反応によって作られ、血液や尿、組織などで増加している物質のことです。癌の診断や治療の目印になるので腫瘍マーカー、癌マーカーと呼ばれます。
腫瘍マーカーは癌の種類や病気の広がり、治療がどれくらい効くかの予測、再発の発見などに使われます。しかしながら、腫瘍マーカーの測定だけでは、癌を診断するのに十分ではありません。

なぜなら
(1)腫瘍マーカーは、良性の腫瘍でも上昇する事があります。
(2)腫瘍マーカーは、すべての癌患者で上昇するものではありません。また、特に病気の初期の段階から上昇するとは限りません。
(3)腫瘍マーカーは、特定の癌だけでなく、いくつかの癌の種類で上昇することがありあます。

表は、各臓器の癌について代表的な腫瘍マーカーを一覧にしたものです。赤字は当検査室で迅速報告できる腫瘍マーカーです。
ただし、癌の診断のためにこのすべてを網羅的に検査するものではありません。必要に応じて、このうちのいくつかを適当な期間をおいて検査し、数値の変動を見ながら判断していきます。

癌の種類と対応する腫瘍マーカー
<癌の種類> <腫瘍マーカー>
食道癌 CEA、CYFRA
胃癌 CEA、CA19-9、CA125、STN、CA72-4、NCC-ST-439
膵癌、胆道癌 CA19-9、CEA、CA50、Span-1、DUPAN-2
肝癌 AFP、PIVKA-Ⅱ
大腸癌 CEA、CA19-9
肺癌 CEA、SCC、NSE、SLX、CYFRA
乳癌 CA15-3、CEA
前立腺癌 PSA
卵巣癌 CA125
甲状腺癌 サイログロブリン

<参考文献>

  1. 臨床腫瘍学第3版 日本臨床腫瘍学会編、癌と化学療法社 2003
  2. 臨床腫瘍学第2版 日本臨床腫瘍研究会編、癌と化学療法社 1999
  3. 国立がんセンター http://www.ncc.go.jp/jp/index.htm
  4. 米国立がんセンター http://www.cancer.gov/cancer-information/
  5. 医知場 http://www.ichiba-md.jp/gann/TM

 

内分泌検査

ホルモンの分泌異常が原因でおきる疾患
<項目> <別名> <代表的疾患>
IRI インスリン 糖尿病ほか
FT3 遊離トリヨードサイロニン 甲状腺機能亢進及び低下症
FT4 遊離サイロキシン 甲状腺機能亢進及び低下症
TSH 甲状腺刺激ホルモン 原発性甲状腺機能亢進及び低下症
BNP 脳性ナトリウム利尿ペプチド 心不全ほか
 

感染症検査

様々な感染症の判定
HBs抗原 B型肝炎ウイルスの感染
HBs抗体 B型肝炎ウイルスの感染又は既往の有無・予防接種
HCV抗体 C型肝炎ウイルスの感染有無
TPHA 梅毒感染の有無

 

2021年7月より検体検査室に「HISCL5000」という全自動免疫測定装置が導入されました。この装置は、機械に載せてから約17分で結果の報告を行うことができ、微量検体(10~30μL)にも対応できる装置で、新型コロナウイルス感染の有無やワクチン接種の効果を調べるため、また新型コロナウイルスに罹患された患者様の重症化リスクの評価のために有用な測定装置です。

検査項目 測定目的
研究用SARS-CoV-2抗体S-IgG 新型コロナウイルスへの既感染およびワクチン接種後の抗体獲得を示す指標
IFN-λ3 新型コロナウイルスの重症化リスク判定
TARC 新型コロナウイルスの重症化リスク判定
プレセプシン 敗血症マーカー
  • 全自動免疫測定装置

    全自動免疫測定装置

血液検査

血液検査は主に赤血球・白血球・血小板の数、計数に関する検査と凝固検査に分けられます。当院には、血液内科があり血液疾患の患者さまも多く、必要時は骨髄検査も実施しています。

赤血球の数やヘモグロビンの値を調べ,貧血や炎症の有無を調べます。
白血球は自動的に5分類され、好中球・リンパ球などの割合から病態を推測します。白血病などが疑われる場合は、染色し顕微鏡で目視します。
凝固検査は血漿を用いて、凝固・線溶に関係する成分の機能を調べます。

例 PT、APTT、Fib、AT-Ⅲ、FDP、DD、FM

一般検査

一般検査には、尿・便・穿刺液(腹水・胸水・髄液・関節液)検査と血糖値・ヘモグロビンAIc検査があります。
尿定性検査では、試験紙を用いて色調の変化から尿潜血、尿蛋白、尿糖など12項目を調べます。

尿中に含まれる赤血球や白血球、その他細胞成分や固形成分は、有形成分分析装置で測定を行い、増加の有無を調べます。特に異常が見られる場合は、遠心し目視します。
便は、潜血の検査です。潜血は、大腸癌のスクリーニングに有用です。

※当検査室で検査できない特殊な検査は、全て外注(外部委託検査)になります。