外科 勝守 高士
腹腔鏡手術は、5mm~1cm程度の皮膚切開を4~5ヵ所作り、直径約1cm程度の腹腔鏡と呼ばれる筒状の内視鏡(カメラ)を穴から腹腔内に挿入し、二酸化炭素をいれて腹腔内に空間を作り、モニター上に映し出された腹腔内の様子を見ながら、マジックハンドのような医療器械(写真)を挿入し手術を行います。したがって、メスで大きな開腹創を作る従来の手術方法と違い、皮膚の切開が小さくてすみます。この傷は、術後ほとんどわからなくなり、退院後温泉に行かれても手術を受けたことを話さないと全くわからないほどです。また術後の痛みが軽く、腹腔内が外気にさらされないため、癒着も少なく術後の腸閉塞も起こしにくいことがわかっています。同様に腹腔内は腹腔鏡で行います。
現在、当院で鏡視下手術が可能な疾病としては下記のような疾病が上げられます。
- 胆石症、胆嚢炎、胆嚢ポリープ
- 虫垂炎(いわゆる盲腸)
- 十二指腸潰瘍穿孔
- 肺癌
- 食道癌
- 胃癌
- 小腸癌
- 結腸癌
- 直腸癌
- 肝細胞癌
- ソ径ヘルニア(いわゆる脱腸)
- 腸閉塞
- 特発性血小板減少性紫斑病・遺伝性球状赤血球症