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有明地域医療研修会

胃瘻患者の管理とケア

■第一回研修会 胃瘻患者の管理とケア 平成14年4月22日
演者:荒尾市立 有明医療センター 外科 濱口裕光

さる平成14年4月22日、荒尾市立 有明医療センターにおいて有明地区の病院・介護施設との連携の充実を図る目的で「第1回 地域連携研修会」が開催され、130人を越える出席を頂きました。

第1回目のテ-マとして、「胃瘻患者の管理とケア」と題し、最近高齢化と共に増えてきている胃瘻に関して、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)の手技も含めて講演させて頂きました。PEGは1980年にGauderer and Ponskyによって初めて発表された手技で、従来の外科的胃瘻造設術と異なり、開腹手術を必要とせず、内視鏡と簡単な器具を用いることにより極めて短時間で簡便に施行できる画期的な胃瘻造設術です。日本では,PEGの手技料が1989年12月の厚生省の通達で従来の開腹的胃瘻造設術と同じ保険点数(6000点)の請求が認められるようになりました。

従来の経鼻胃管栄養と比較して、患者さんの不快感が少なく、また誤嚥性肺炎などの呼吸器合併症を軽減でき、自己抜去防止などの管理の容易性もあり、最近は胃瘻造設の依頼も多くなってきています。当院でも私が着任後1年10ヶ月で55例の手術を施行しました。適応は、脳血管障害・痴呆などにより嚥下障害のある患者、誤嚥性肺炎を繰り返す患者などで、正常な消化機能を有し、4週間以上の生命予後が見込まれる症例です。適応外となるのは、腹部手術後の患者で、腹壁と胃の間に腸管が介在している症例、胃切除後の症例などです。胃内視鏡が施行できる状態の患者であれば、年齢は適応外とはなりません。当科で施行した最高齢者は95歳の男性でしたが、特に合併症もなく順調に経過しました。 

PEGは、中心静脈栄養と比較して栄養管理が容易なこと、在宅でも充分管理できること、感染や菌血症の心配がないことなどが利点として挙げられています。また経鼻胃管による長期栄養投与と比較すると,鼻咽喉などの炎症やびらん、誤嚥性肺炎の併発、心理的圧迫感などから開放されます。この面からも長期栄養管理が必要とされる患者にはPEGが勧められます。

今後PEG施行例の増加と共に、周辺の病院・介護施設でも胃瘻管理を行って頂く機会が増えていくことが予想されます。その点でも今回の第1回地域連携研修会のテ-マにPEGを取り上げて講演させて頂き、非常に有意義なものであったと考えます。